社会人経験のあるミュージシャンの歌詞には説得力がある
社会人経験のないミュージシャンやバンドが「社会ってつらいZE」みたいなこと歌ってたりすると「なんだかなぁ」という感想を抱いてしまいます。
社会に出たことのあるミュージシャン、作家
元社会人だったミュージシャンは意外に多く、
スガ シカオ…東京経済大学卒業後、四年間就職している。(電通系列の会社だという説が濃厚。ものすごくブラックだったと語っています)
梶浦 由記……津田塾大学卒業後、NTTに就職。
増子 直純(怒髪天)……1996年~1999年の活動休止期間中に初めて社会に出て働き、「自分のお父さんがこんなつらいことをしてくれたと思うと涙が出た」と語っています。
川上 洋平(Alexandros)……青山学院大学卒業後、就職。
等等、多くの作家、ミュージシャンが元社会人なのです。
梶浦由記さんは音楽学校を出ていないのにもかかわらず、アニメのBGMの作曲や作詞・作曲・編曲をすべて担当している「Kalafina」のプロデューサーとして活躍していますね。
Kalafinaの「progressive」という曲に
本当の自分って いつだって本当の姿よりきれいな なりたい自分のことだったよね
という歌詞があり、社会人とアマチュアバンドの二束のわらじを履いて生活するか、このままプロとして活動していくかで葛藤したことのある梶浦さんだからこそ書けた歌詞なのかなと思います。
スガシカオの「現実に寄り添う歌詞」
特にスガシカオさんは個人的に大ファンです。
ぼくの情熱はいまや 流したはずの涙より冷たくなってしまった
どんな人よりもうまく 自分のことを偽れる力を持ってしまった
(黄金の月)
途切れた願いは 消えてしまうのではなくて
ぼくらはその痛みで 明日を知るのかもしれない
すべての祈りが 輝きはしないけれど・・
(光の川)
見てわかるとおり、現実をしっかりと見据えた、言ってしまえば達観しているともいえるリアルな歌詞が特徴です。
スガさんは2浪中に初めて本気で好きになった女の子に二股をかけられ、こっぴどく振られ、大学卒業後病気で倒れてしまった父の代わりに仕事をしながらプロとしてデビューする準備をする等、人生観を変えるような経験をしています。
現実的で、でも未来へ進んでいこうという姿勢は、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の主題歌としても有名な「Progress 」の歌詞にも表れています。
世界中にあふれているため息と 君とぼくの甘酸っぱい挫折に捧ぐ・・・
"あと一歩だけ、前に 進もう"
現実に疲れてしまった時、この曲を聴いて勇気をもらった人も多いのではないでしょうか?
僕の未来に光などなくても
最後にスガシカオさんの「黄金の月」の歌詞でこの記事を締めたいと思います。
ぼくの未来に 光などなくても
誰かがぼくのことを どこかでわらっていても
君のあしたが みにくくゆがんでも
僕らが二度と 純粋を手に入れられなくても
夜空に光る 黄金の月などなくても