友達とドライブ──── in this foggy music
友達とドライブに行った。
彼とは約9年来の付き合いで、個人的には親友と思っている。
───なんだかありきたりなブログの導入文みたいになってしまった。
僕は人見知りだ。
いや、もっと言えば人間不信に近いかもしれない。そして考えすぎる性格であるとも自覚している。
そのせいか今年に入り、随分精神が不安定になってしまった。
もしかしたら、精神科に行ったほうがいいレベルなのかもしれない。
そんな下がりやすい僕のテンションのせいで、彼には随分と迷惑をかけてしまったように思える。
そんな彼と二ヶ月ぶりに会うことになった。
八月の末、合わないかと彼が連絡をくれたのだが、夏休み中誰からも遊びの連絡が来ないことにすれていた僕はその連絡を蹴ってしまった。
一ヶ月以上延びてしまった所為か、彼とうまく話すことができなかった。
変に緊張してしまったのだ。
イタリアンチェーン店で食事をしている際、彼に僕が夏休み中に会う約束を蹴ってしまったことを言及された。
彼は立腹していた。当たり前である。
なんだか申し訳なくなり、その会計は僕が持った。
随分、人ととの付き合い方が下手くそになってしまったように思う。
人は運動しなくては肥える。体力が落ちる。走れなくなる。
それは見た目の変化として現れるから、ある程度危機感を持つことができる。
だが心の方はどうだろう。考えすぎ、自己嫌悪と後悔の渦に飲み込まれてしまった思考は、誰にも気づかれることなくひっそりと朽ちていく。
多分その状態が鬱やノイローゼと呼ばれる状態なのだろうと、素人ながら思う。
話を戻そう。
食事の後カラオケに行った。
ステーキ屋で今後の予定なんかを話しながら夕食を共にし、食後にドライブに出かけた。
なんだか一週間分くらい喋ったような気がする。
近況報告、人間関係論、好きな音楽、声優、彼女、大学、友達……。
霧がかったような雰囲気の車内で、僕らは言葉を交わした。
僕は音楽を流した。
ヒップホップ、バンドの新譜、お互いがはまっている最近のアニメ「プリンセス・プリンシパル」のサントラなんかを流した。
「Sound Of Foggy London」、そう名付けられたプリンシパル・プリンシパルのサウンドトラックは、今回のドライブにぴったりだったように思える。
不透明な僕らの未来、先行きの見えない日本の行方、愚にもつかない量産型の現代音楽などなど、よく見えないものがこの世には溢れている。
そんな今を生きる僕たちに、霧がかかった音楽たるこのサントラは、僕らのドライブにひっそりと寄り添ってくれたような気がする。
───思い出とはなんだろうか。
会話の内容も日時も場所も忘れてしまい、それでも心の中に残っている言葉と景色と音であると、僕は定義する。
もし今回のドライブが思い出になるなら、彼と交わした言葉と、今日聴いた「霧がかかった音楽」は、きっと消えないと思う。
今日という日を、たとえ忘れてしまったとしても。
TVアニメ『プリンセス・プリンシパル』オリジナルサウンドトラック
P.S Iくん、君にクリエイターじみたことを今日言ってしまったが、結果書いているのは自己完結型の日記ブログだ。
笑ってくれ。